Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「飛鳥」の芸者たちが四五人、つれだって、髪結いに来たのだった。お京は、写真画報を見ながら、順番を待っていた。投げ島田の頭を、銀杏返しに結いなおして貰うつもりである。
「染奴さんは、ハイカラねえ」
二〇三高地髷にしている染奴を見て、友達が、眼を丸くしている。二〇三高地は、日露戦争のとき、非常な激戦の後、日本軍が奪取したロシヤ軍陣地のあった山だ。その名を冠した髪が流行していた。庇髪の中央に、サザエのような瘤を作る。染奴が、特に、今日、この髷を選んだのには、魂胆があった。
「今日は、みなさんお揃いで、晩、なにかあると?」
髪結のおナツが、染奴の髪を結いながら、訊く。博多生まれ、四十年配の、勝気らしい、色の浅黒い、眉毛のつりあがった女である。
三人いる弟子たちも、それぞれ、鏡に向かって、一人ずつ、髪を結っている。店内には、強いびんつけ油のにおいがただよい、ときどき、元結をしめる、キュ、キュ、という音、髪を梳く櫛の、シュウ、シュウという音が聞える。
染奴が、いそいそした声で、
「宴会よ」
「宴会は珍しゅうも、なか。こげん、みなさんが気張って、髪を結いなさるとは、なんか、特別なことじゃろうもん」