Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
ふりかえってみたが、品川は、後を追って来る様子はなかった。
格子戸を、開いた。
「おごめん下さい」
「おうい」
二三度、顔をあわせたことのある、玄関番が、出て来た。
「吉田の親分さんに、お目にかかりたいのですが……」
「おかしいなあ……? 玉井金五郎が、うちの親分に、用があるわけがないじゃないか。なんの因縁をつけに来たんじゃ?」
金五郎は、むっとしたが、腹の虫をおさえて、おだやかに、
「親分さんは、おいでではないのですか?」
「おいでにはなるが、お前さんなんかに、逢うわけがないよ」
「お取り次ぎを願います」
「わからん男じゃなあ。取り次いだって、無駄に定まっとるというのに……」
「わたしは、あなたに逢いに来たのではありません。吉田親分さんに、お目にかかりに参ったのですから、ともかく――玉井金五郎が来た。……と、お伝え下さい。親分さんが、逢わぬとおっしゃるのでしたら、帰ります」
「しつこいのう。そんなら、ちょっと、待っとれ」
「それから、これは、ほんの御挨拶の印で……」
金五郎がさし出した鯛の皿を、玄関番は、せせら笑う眼つきで見下したが、面倒くさそうに抱えあげて、奥に、入った。