Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「大将、これをごらん下すって」
あたりをはばかって、豆八がとりだした一枚の紙片を、ランプの光で黙読した。
「金五郎さん、京は待っています。きっと、あなたが約束を果して下さることを信じます。京の命は今はこの一ことだけにつながっています。豆八さんに聞いて下されば、いつでも妾と連絡がつきます。京より」
「わからしゃったか?」
「うん」
「それでは……」
日ごろの剽軽に似あわず、深刻めいた顔付の豆八は、紙片をくるくると丸めると、ランプの火に投じた。秘密の手紙は燃えた。
副島甲板番が、ビフテキでビールが飲みたいというので、山手通にある「突貫亭」に行った。豆八も帯同した。
高塔山の麓、近くに白山神社のある高台に、鹿鳴館張り、青ペンキ塗りのハイカラな木造洋館がある。アーチ作りの門にかけられた看板が、ガス燈の光で「最新式高等西洋料理店・突貫亭」と読まれる。大広間には、ガスとともに、電燈も引かれている。まわりには、深い竹林や、鬱蒼とした大樹の森があって、夜になると、フクロウが鳴き、ときには狐や狸も出没する。
「いらっしゃアい。御新来、お三人さあん」
白エプロンの若い女給が、歌うような声で迎えて、金五郎たちを大広間の一隅にみちびいた。