Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

狭い浴場に、白い湯気が靄のように立ちこめ、電燈が月のようである。首筋を深く、顎までつけて、しばらく陶然と、眼をつぶっていた。その金五郎の脳裡に、やがて、先刻の老掏摸のことが、鮮やかに、浮かびあがって来た。

(おれは、ぬくぬくと、風呂などに入っとるが、般若の五郎さんは、今ごろは、蚤や虱だらけの留置場か)

不思議なためいきが出た。

道後温泉で、鍛冶屋の清七と二人、はじめて五郎に逢ったときのことが、金五郎には忘れがたい追憶になっている。あの変てこな三ン下バクチ打ちのために、お京に逢うきっかけが出来たのであるが、それよりも、金五郎は、般若の五郎自身に、ひそかに、感謝していることがあるのだった。

湯町の「神の湯」の浴槽で、五郎と取りかわした会話を思いだす。

五郎は、金五郎の裸の身体を、不遠慮に、ぐりぐり揉みながら、いった。

「立派な体格だ。おれが女なら、首ったけになるよ。百姓には惜しい。龍の彫青でもしたら、大前田英五郎のような親分になることは、うけあいだ」

そこで、金五郎は、からかい半分に、答えたのであった。

「土ン百姓の子でも、親分になれますか」

「そりゃあ、なれるさ」