Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

――青春の日。

マンの脳裡に、遠い日の思い出が、次々によみがえって来たが、

(その青春は、もう、子供たちにはじまっている)

それを思って、胸が疼いた。

泥濘の道を、二人とも、高下駄で、注意しながら、歩いた。山を伐りひらいて作ったばかりの道路は、ともすると、ガキッと、下駄の歯をくわえて、足元を狂わせるのだった。

「親方」

と、今度は、歩きながら、

「おい」

「すこし、気がかりなことがあるとですけど、……」

「なんじゃい?」

「うちのボーシンが話しよったとですが、勝則が、このごろ、なんか、芸者と仲ようなっとるとかで……」

「それで?」

「今度の縁談がそのために、……?」

「ワッハッハッハッ」と、大庭春吉は、こともなげに、笑いだした。「そげな心配は要らんばい。そんくらいのこと、なんでもないよ。請負師稼業は交際が多いけ、どげしても、花柳界とは縁が切れん。そしたら、芸者の顔知りくらい、出来るとが当り前、勝則だって、もう二十五じゃろ? 一人前たい。別嬪を見たら、ちいたあ、胸がドキドキしたり、ときには、酒の勢で、女の手くらい握ったり、……フフフ、人間じゃもん、あろうわな。なけりゃ、不具じゃ。