Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
猫が屁をへったことでも、大きな大事ちゅうて騒ぐからのう」
金五郎は、そういって笑いながら、頭の方半分しかないスズキを、板場にいる源十の前にさしだした。
「これを、ええように、こしらえてくれんか」
「尻尾はどげしました?」
「聯合組が夜業しよったけ、新谷たちに、酒の肴にやって来た。……やっぱり、夜は冷える。熱いのをつけてや……」
「すぐに」
すっかり飲み屋の親爺が板についた源十は、ジュンに、酒の燗を命じ、自分はスズキを料理した。出刃庖丁で頭を落し、器用に、三枚に下して、刺身を作る。
勝則と二人、狭い座敷になっている片隅に、腰かけると、
「旦那、ちょっと」
豆八が、眼で呼んだ。
つるつるに頭の禿げあがった、小柄な胡蝶屋豆八は、昔よりずっと剽軽な風貌になっている。跛も、わざとバネ仕掛を大仰にして歩いて、愛嬌と笑いとをふりまく。幇間はやめて、花柳界や、夜の盛り場を歩く辻占売りになっていた。大福帳をかついでいる。
いつにない深刻めかした顔つきで、金五郎を、裏座敷の方にみちびいた。
「秘密の話な?」
「大秘密、大事件」
何組かの客が、小座敷で、賑やかに飲んでいる。酔漢と芸者との金切声、それかと思うと、しんみりした爪弾きの三味の音、渋い端唄、それらの間を抜けて行くと、一番奥に、誰もいない二畳の間があった。