Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「そうしましょう」
ババンは、浴室の方に去った。
大正の中ごろ、永田杢次が死ぬと、ラムネ屋は人に譲った。一人息子の茂次平は、まるで商売をする気がなく、ヨネの妹婿になる山田健一が、満洲の旅順で経営している、かなり大きな印刷工場に徒弟になって行った。
残されたヨネは、玉井家で引き取った。美しいお婆さんである。マンの生んだ子供で、誰一人、ヨネの手にかからぬ者はない。いつか、「婆はん」が訛って、「ババン」と呼ばれ、お人よしではあるけれども、親切で、情愛ぶかいヨネは、子供たちに、心底からなつかれた。金五郎夫婦も、真実の母のように、ヨネを大切にした。
ババンの足音が、風呂場から、台所に向かい、沢庵桶のある物置へ、下駄の音が消えたのは、金五郎たちが、お茶漬を食べようということになったらしい。
それを知って、マンも、お茶でも沸かそうと、立ちあがった。
正保寺町の家も、すこしずつ建て増しして、広くなっている。二階が三間、階下は、襖を取れば四五十人の集まりや、宴会も出来る座敷を入れて、八間、石燈籠をあしらい、瓢箪池と築山のある庭、浴室もある。昔は、子分たちを下宿させていたが、今は家族だけだ。