Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

それでも、賃銀は定められたとおり。不公平やわ」

「そんなこと、いうたって、通りゃせん」

「それが、はがいいのよ。まちがったことでもなんでも、そのまま平気で押し通す――それが、男の権利なの?」

「権利ちゅうわけでもないが……」

「権利と思うとるのね。親方さんだっても、そうやわ。ちゃんとごりょんさんがあんなさるとに、オメカケさんを囲うて、さっきも、人力で乗りこみなさる。メカケの一人二人持つのは、男の甲斐性というて、メカケを持たぬ者が、かえって、馬鹿にされる。そんなことが、当りまえみたいに通るのは、まちがいよ」

「まちがいというてみても、世の中のことはなあ……」

「ふウン、兄さんも、金でもできたら、二号を持ちたい口ね」

「馬鹿なこと、いうな」

林助は、妹の鋭鋒が自分にむいて来たので、うろたえた。

「どうかしらん?……兄さんが、義姉さんをいつもいじめて、毎日、打っとるの、あたし、腹が立ってたまらんわ。義姉さんも義姉さん、それが当りまえみたいに、ただ、メソメソ泣いて、あやまっとるのだもん。あたしなら、承知せんのじゃけど……」

「お前のような女を女房にした男は、命がけじゃのう」