Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

公会堂で、いきなり、声をかけられたときにはね。でも、糞度胸を定めて逢ったさ。なにもかも、話してやった――ふウン、これが、おッ母さんの恋敵か? この女から、おッ母さんが敗けたのか?……そう思うと、あたしは、一層、決心が堅まったよ」

「ヘッ、どうも、お前という女は、解せねえよ。お京さんが、若えころは、おれの親父を悩ましたというが、お前も、まったく、おれを悩ます。わからねえ。身体つきも、眼つきも、色気たっぷりと来てやがる癖に、まだ男を知らねえ処女なんて、誰だって思う者はねえぜ」

「あたしは、おッ母さんを見てて、男というものが恐くなったのさ。いや、女というものが、といった方がいいかな?……女は哀れなものだよ。だから、あたしは大事を踏んでるんだ。柄に似あわないといわれたってね」

お葉は、煙草をふかしながら、夢見るような瞳になって、沖の漁船が、魚のはねる網を引きあげるのを眺めている。その青味がかった瞳は、

(玉井金五郎さんを、あの魚のように、きっと、あたしの網のなかに入れてみせる。おッ母さんは、網から逃がしてしまったけど、……)

妖しい光をただよわせて、はっきりと、そのことを語っているようだった。