Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
腰の抜ける思いである。
「よく探したか」
「いくら探しても、見えません」
「うウム」
唸った。手ちがいばかりで、ことごとく目算の外れた、単純な助役の頭脳に、反応的に浮かんで来る対応策は、暴力以外にはない。逆上が、彼に歪曲された勇気をあたえる。
「おい、みんな」
と、彼は、ほとんど、凜然として、部下たちを睥睨した。
「大村組と決戦するときが来たぞ。船は出し遅れたし、大切な道具は、どこかに行ってしもうた。敵に盗まれたのかも知れん。もう、仕事にはならん。こうなったら、大村組の現場に乗りつけて邪魔してやらにゃ、腹がいえん。みんな、しっかりしろ。がんばれ。……よし、漕ぎだせ」
三挺の櫓を立てて、伝馬船は、岸を離れた。異様な昏迷と興奮とが、沖仲仕たちを緊迫させていた。暗い波のうえを、船は、ぐんぐんと、インド丸へ、漕ぎ進んで行った。
「おマン、危いから、後にひっこんどれよ」
兄の言葉に、マンは、答えなかった。
「右舷に、つけろ」
インド丸が近づくと、助役が叫んだ。右舷は、大村組の持場である。
ところが、左舷で、奇妙なことが起っていた。焚料積込みの口のある舷側に、数枚の棚が吊られてある。