Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

(おれの命の若松港)

ふと、感情が、胸をすぎた。

「高司君」

と呼びかけた。

友田直系の小頭、色が黒く、精悍な風貌の高司清市が、ふりむいた。

「こりゃあ、玉井さん、どうして、ここへ?」

「高司君、いま、何時と思うとりますか」

「さあ、もう、おっつけ三時じゃないか知らん? そう思うて、いま、船長と打ちあわせしよったとですが、……」そういいながら、懐中時計をとりだして「やっぱ、そうじゃ。あと十分ほどで、三時になる。……そんなら、船長、時間が来たら、さっき話したように……」

「わかりました」

この港には常連の船長は、古くから、金五郎の顔も、よく知っている。歩みよって来て、

「玉井さん、大変ですなあ。お骨折りでしょう。いま、高司さんからうかがいました。前から、沖仲仕の争議については、僕等も深い関心を持って、なりゆきを注目していたんですが、いよいよ、今暁、午前三時からゼネ・ストに入るそうで。正直いうと、汽船の方は、このまま、荷役をほったらかして引きあげられると困るんです。二七〇〇トンの炭を、まだ七〇〇トンほどしか積んでいませんからなあ。でも、仕方ないです。おたがいですから。