Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans

Aozora Bunko

あたしは、女房以外に女を作る男なんて、承知せんですよ」

「おマンさんに、三国一のええ婿さんが出来るように、祈るわ」

チヱは、若いマンの世間知らずを、いたわるような、しんみりした語調で、いった。それは、羨む気持も手つだっていたと同時に、嘗ては、自分もそういう一本気であった、娘時代をふりかえる哀愁の思いでもあった。

(しかし)と、チヱは、思う。(マンさんは、わたしたちと、どこか違うところがある。自分たちが、生活の圧力と習俗とに、わけなく屈してしまったようには、マンさんは屈しないかも知れない。このひとは、なにか、強いものを持っている)

猫は、マンの前だれの中で、眠ったらしい。ゴロゴロと、咽喉が鳴っている。

マンは、遠いところを見る眼になった。

「あたし、だいぶん、当てが狂ったわ。林助兄さんが、何度も手紙くれるんで、思いきって、田舎を飛びだして来たのに、こんなことでは、いつ、ブラジルに行けるのか、わかりゃせん。貯金をして、旅費を作って、アメリカ行の船を見つけて、と思うたのに、……仲仕の賃金なんて安いし、それを辛抱して、ようやく、すこし蓄まると、兄さんから借りられるし……」