Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなび
花火
Lisez 花火 (はなび) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 233 caractères · 29 écrans
」それでも時々、心細さのあまり、そっと勝治に囁くことがある。
「馬鹿野郎。おれを信用しねえのか。」
「信用するわ。」
信用するより他はない。節子には、着物を失った淋しさの他に、もし此の事が母に勘附かれたらどうしようという恐ろしい不安もあった。二、三度、母に対して苦しい言いのがれをした事もあった。
「矢絣の銘仙があったじゃないか。あれを着たら、どうだい?」
「いいわよ、いいわよ。これでいいの。」心の内は生死の境だ。危機一髪である。
姿を消した自分の着物が、どんなところへ持ち込まれているのか、少しずつ節子にもわかって来た。質屋というものの存在、機構を知ったのだ。どうしてもその着物を母のお目に掛けなければならぬ窮地におちいった時には、苦心してお金を都合して兄に手渡す。勝治は、オーライなどと言って、のっそり家を出る。着物を抱えてすぐに帰って来る事もあれば、深夜、酔って帰って来て、「すまねえ」なんて言って、けろりとしていることもある。後になって、節子は、兄に教わって、ひとりで質屋へ着物を受け出しに行くようにさえなった。お金がどうしても都合できず、他の着物を風呂敷に包んで持って行って、質屋の倉庫にある必要な着物と交換してもらう術なども覚えた。