Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

よしとししゃせいちょう

芳年写生帖

野村 胡堂

Lisez 芳年写生帖 (よしとししゃせいちょう) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 626 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

画帳に納めなければ承知しなかったのです。

馬道の留守宅では、押かけ女房のおよつが、これも押かけ落人の日下部欽之丞を介抱して、世間を狭く暮して居りました。およつは、園花と言って千住で勤めた女で、年が明けると、大した歓迎もしない芳年のところへ轉げ込み、女房気取りで三月四月も納まっていると言った質の女でした。

「本当にあの晩ほどびっくりしたことは無いよ。襦袢一枚のあの人の後から、彰義隊へ入ったという欽さんが、のそりと入って来るんだもの――」

およつは、芳年の留守の間、狭い六畳の、日下部欽之丞の枕許に坐り切りで、根が生えたように、斯う話し込んでいるのです。

「俺だって驚いたよ。此春年が明けて、千住から消えたお前が、場所もあろうに、俺が逃げ込んで来たヘボ絵描きの家の、長火鉢の前に納まって居ようとは、お釈迦様でも気が付くわけはねえ」

欽之丞は、そんな伝法な口をききます。腕はよく出来ますが、旗本の冷飯食いで、およつの園花とは、二年前からの深間だったのです。

「でも、斯うして逢えたのも、深い縁じゃないかねエ欽さん、――いくら私が図々しくたって、旗本のお屋敷へ、誓紙起証を振り廻して乗込むわけにも行かず、仕様ことなしに一番甘そうなお客の絵描きの家へ轉げ込んだのさ。