Classiques japonais avec furigana
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きのこのまいひめ
茸の舞姫
泉 鏡花
Lisez 茸の舞姫 (きのこのまいひめ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 906 caractères · 24 écrans
羽ばかり秋の蝉、蜩の身の経帷子、いろいろの虫の死骸ながら巣を引って来たらしい。それ等が艶々と色に出る。
あれ見よ、その蜘蛛の囲に、ちらちらと水銀の散った玉のような露がきらめく……
この空の晴れたのに。――
四
これには仔細がある。
神の氏子のこの数々の町に、やがて、あやかしのあろうとてか――その年、秋のこの祭礼に限って、見馴れない、商人が、妙な、異ったものを売った。
宮の入口に、新しい石の鳥居の前に立った、白い幟の下に店を出して、そこに鬻ぐは何等のものぞ。
河豚の皮の水鉄砲。
蘆の軸に、黒斑の皮を小袋に巻いたのを、握って離すと、スポイト仕掛けで、衝と水が迸る。
鰒は多し、また壮に膳に上す国で、魚市は言うにも及ばず、市内到る処の魚屋の店に、春となると、この怪い魚を鬻がない処はない。
が、おかしな売方、一頭々々を、あの鰭の黄ばんだ、黒斑なのを、ずぼんと裏返しに、どろりと脂ぎって、ぬらぬらと白い腹を仰向けて並べて置く。
もしただ二つ並ぼうものなら、切落して生々しい女の乳房だ。……しかも真中に、ズキリと庖丁目を入れた処が、パクリと赤黒い口を開いて、西施の腹の裂目を曝す……