Classiques japonais avec furigana
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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lisez 草迷宮 (くさめいきゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 733 caractères · 142 écrans
はっと半紙を見ると、瞳へチラリ。
コロリン!
と字が動いたよう。続けて――
琴の音が…………
と記してあった。
四十
客僧は思案して、心を落着け、衣紋を直して、さて、中に仏像があるので、床の間を借りて差置いた、荷物を今解き始めたが、深更のこの挙動は、木曾街道の盗賊めく。
不浄よけの金襴の切にくるんだ、たけ三寸ばかり、黒塗の小さな御厨子を捧げ出して、袈裟を机に折り、その上へ。
元来この座敷は、京ごのみで、一間の床の間に傍に、高い袋戸棚が附いて、傍は直ぐに縁側の、戸棚の横が満月形に庭に望んだ丸窓で、嵌込の戸を開けると、葉山繁山中空へ波をかさねて見えるのが、今は焼けたが故郷の家の、書院の構えにそっくりで、懐しいばかりでない。これもここで望の達せらるる兆か、と床しい、と明が云って、直ぐにこの戸棚を、卓子擬いの机に使って、旅硯も据えてある。椅子がわりに脚榻を置いて。……
周囲が広いから、水差茶道具の類も乗せて置く。
そこで、この男の旅姿を見た時から、ちゃんと心づもりをしたそうで、深切な宰八爺いは、夜の具と一所に、机を背負て来てくれたけれども、それは使わないで、床の間の隅に、埃は据えず差置いた。