Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
Lisez 草迷宮 (くさめいきゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 733 caractères · 142 écrans
川下の其方は、藁屋続きに、海が映って空も明い。――水上の奥になるほど、樹の枝に、茅葺の屋根が掛って、蓑虫が塒したような小家がちの、それも三つが二つ、やがて一つ、窓の明も射さず、水を離れた夕炊の煙ばかり、細く沖で救を呼ぶ白旗のように、風のまにまに打靡く。海の方は、暮が遅くて灯が疾く、山の裾は、暮が早くて、燈が遅いそうな。
まだそれも、鳴子引けば遠近に便があろう。家と家とが間を隔て、岸を措いても相望むのに、黒門の別邸は、かけ離れた森の中に、ただ孤家の、四方へ大なる蜘蛛のごとく脚を拡げて、どこまでもその暗い影を畝らせる。
月は、その上にかかっているのに。……
先達の仁右衛門は、早やその樹立の、余波の夜に肩を入れた。が、見た目のさしわたしに似ない、帯がたるんだ、ゆるやかな川添の道は、本宅から約八丁というのである。
宰八が言続いで、
「……(外廻りを流れて来るし、何もハイ空家から手毬を落す筈はねえ。そんでも猫の死骸なら、あすこへ持って行って打棄った奴があるかも知んねえ、草ぼうぼうだでのう、)と私、話をしただがね。」
十九
「それからその少え方は、(どうだろう、その黒門の空家というのを、一室借りるわけには行くまいか、自炊を遣って、しばらく旅の草臥を休めたい、)と相談打ったが。