Classiques japonais avec furigana
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あらいそのきょうみ
荒磯の興味
佐藤 惣之助
Lisez 荒磯の興味 (あらいそのきょうみ) de 佐藤 惣之助 (さとうそうのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 703 caractères · 8 écrans
あるから、理科学的に調査したら、恐らく凄じいものがあるだろう。その小さい科学的な知識を前提として、私達の磯釣は成立するのである。
その第一は陸の生活と遠離の感で、まるでロビンソン・クルーソーになった気持である。第二は陸と海の境界線に立って、自分も同じ生物として生きている孤独感で、いかにして魚を釣るかという喜悦と祈願に似た感情である。第三はいざ目的の大魚がかかって、これを逸すかせしめるかの闘争的快楽である。この第三の健康的な挑むような、張切った感じがうれしくって、波浪も岩壁も物かは、危険を犯してまでも目的の魚のいるところまで往くのである。
もしその場合、四百目以上七八百目から一貫目もある魚に出逢って見給え、引き上げるか、引き込まれるか喰うか喰われるかの境地まで行くと、そのスリルたるや何物にも勝るものがある、まして竿が満月になり、魚の引きの強さに、よろめきつつ岩にしがみついて仕止めるまで、或は糸を切られて逸してしまった拍子ぬけの気持等、到底筆紙には尽し難いものがある。こうして一日波浪のピアノの音、天空と海の広い襞の中に遊んでいると、頭も身体も生気に満ちて、実際に生きている喜悦と歓喜に戦くようなことがある。