Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くさもみじ

荷風随筆集(下)

永井 荷風

Lisez 荷風随筆集(下) (くさもみじ) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 512 caractères · 63 écrans

Aozora Bunko

その頃の書生は新刊の小説や雑誌を購読するほどの小使銭を持っていなかったので、読むに便宜のない娯楽の書物には自然遠ざかっていた。わたくしの家では『時事新報』や『日々新聞』を購読していたが『読売』の如きものは取っていなかった。馬琴春水の物や、『春雨物語』、『佳人の奇遇』のような小説類は沢山あったが、硯友社作家の新刊物は一冊もなかった。わたくしが中学生の頃初め漢詩を学びその後近代の文学に志を向けかけた頃、友人井上唖々子が『今戸心中』所載の『文芸倶楽部』と、緑雨の『油地獄』一冊とを示して頻にその妙処を説いた。これが後日わたくしをして柳浪先生の門に遊ばしめた原因である。しかしその後幾星霜を経て、大正六、七年の頃、わたくしは明治時代の小説を批評しようと思って硯友社作家の諸作を通覧して見たことがあったが、その時分の感想では露伴先生の『言長語』と一葉女史の諸作とに最深く心服した。緑雨の小説随筆はこれを再読した時、案外に浅薄でまた甚厭味な心持がした。わたくしは今日に至っても露伴先生の『※(「言+闌」、第4水準2-88-83)言長語』の二巻を折々繙いている。

大正以前の文学には、今日におけるが如く江戸趣味なる語に特別の意味はなかった。