Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きくやしき

菊屋敷

山本 周五郎

Lisez 菊屋敷 (きくやしき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 620 caractères · 71 écrans

Aozora Bunko

えっと志保は面をあげた。

「いつもお母さまはこう仰しゃっていましたね、りっぱな武士になるには、子供のうちから苦しいこと、悲しいことに耐えなければいけない、からだも鍛え心も鍛えなければいけない、……そう仰しゃっていました、本当はここにいたいんですけれど、そんな弱い心に負けてはりっぱな武士になれませんから、……ですから、晋太郎は江戸へまいります」

言葉も足りないし表現も的確ではない、けれどもおのれの好むところを抑えようとする意味はよくわかる、志保はぐっと喉が詰まった。この際になって、自分がまだみれんな考につきまとわれているのに、かれは幼ない身でそれだけの反省をし、けなげにもおのれに克っている。――よくそこに気がついてお呉れだった。志保は抱き緊めてやりたい気持だった。――これまで育ててきた甲斐があった、これなら小松の手へ返しても大丈夫だ、もう悲しんだり失望することはない。

「あなたの云うとおりです」志保はしいて心を鎮めながら頷ずいた、「……辛いこと苦しいことに耐えてゆく、幼ないうちからそういう忍耐をまなぶことが、なにものにも負けない武士のたましいをつくる土台です。