Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おちばいき

落ち梅記

山本 周五郎

Lisez 落ち梅記 (おちばいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 748 caractères · 61 écrans

Aozora Bunko

。沢渡と佐竹とは遠い縁者にも当っていたし、金之助の父の助左衛門と千五郎とは極めて昵懇のあいだがらで、家族も古くから近しく往来していた。ことに由利江の生母が亡くなった当時、それは彼女が十二歳になった初夏のことであるが、金之助の母の茂登女は由利江をあわれむ余り家へつれて来て、百日ばかりそばに置いて世話をした。そのときのことは金之助もよく覚えているが、由利江はいつものとおり微笑を湛えた明るい顔つきをしていて、男きょうだいのない珍しさからでもあろうか、金之助の部屋へもよく遊びに来たりした。

――思ったほど悲しがってもいませんね。

――早く死別する親子は縁がうすいと云う、やっぱりそういうものかもしれない。

――そのほうがはたの者には助かりますわ。

父と母とでそんな話をしているのを聞いたことがあった。金之助もそう思っていたのであるが、それは見かけだけのことで、由利江は独りになるときは泣いていたのである。しかもそれを金之助にみつけられたとき、おじさまにもおばさまにも黙っていて呉れるように、こんなことはごくたまにしかないのだからと、けんめいな口ぶりで頼むのであった。