Classiques japonais avec furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lisez 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 741 caractères · 486 écrans
」と云って嘲笑った。私は真赤になった。その頃私は小学校へ入ったばかりで、その日私は学校で、手紙を書くことを教わったのであった。私は従弟にあたる仁という二つ年下の子にあてた手紙を半紙に書いて、折り畳んで表に「いとこのひとしちゃんへ」と書いた。私はそれをそのままポストに入れれば、仁ちゃんのもとに届くものと思っていた。私はそれを机の上に置いて、湯に入った。先に湯から出た兄がそれを見つけて、私をからかったのである。私は子供心にその手紙がよそゆきのものであることを感じていたので、まんまと兄に見ぬかれてしまったことが、顔から火の出るように恥ずかしかった。
女中部屋は三畳で、ここは家の中で直接外光の入らない唯一の部屋であった。山の手辺の酒屋の息子で春さんという、はたちばかりの若者が父の義太夫の内弟子として来ていたことがあった。あるとき、春さんは湯から出て顔を真赤に火照らせていたが、それが少し普通でなかった。どうしたのかと訊くと、顔がひりひりすると云い、実は御隠居さんの石鹸を顔に塗ったところ、こんなになったと云ったので、皆んな笑ってしまった。祖父はひとり湯に入るとき薬用石鹸を使っていたが、春さんはそれをなにか上等な化粧石鹸のように思い込んで、その日ひそかに、その満面に面皰の吹き出ている顔にたっぷり塗り込んだというわけな