Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lisez 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 741 caractères · 486 écrans
「東京にいなかったんだ。」
「どこへいっていたの?」
「あちこち旅をしていた。」
「そうお。」
彼女はなにやら考え深そうな眼つきをしてうなずいた。
「この近所へきたよ。」
「近所って?」
「この裏の新聞やにいる。」
「ほんと?」
「ほんとさ。君のとこへ新聞を配達してあげよう。」
彼女はまた思案顔をした。
「なにを考えているんだ?」
「ううん。」
彼女は首を横にふった。
私は廓を配達している朋輩に頼んで彼女のもとに新聞を入れてもらった。
私はまた彼女のもとに行くようになった。ちょっと見なかった間に彼女はすっかりいいおいらんになっていた。鼻のあたまに汗をかいて大正琴を弾いていた稚いふりはもう見られなかった。私には彼女が自分より年うえのような気さえした。私は行くと彼女から娯楽雑誌などを借りて、寝床の中でそれに読み耽り、そのうち眠くなってきて眠ってしまうのがきまりだった。ふと眼をさますと、いつのまにか彼女がきていて、となりで寝息をたてていたりした。新聞やで夕刊配達まえなど、皆んなが店の間に集まって女の話に花が咲くとき、私も人後に落ちまいとして、
「俺の女はいつだって、グウグウ鼾ばかりかいて、眠ってばかりいやがる。