Classiques japonais avec furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lisez 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 239 741 caractères · 486 écrans
いつか自然と友の周囲からは、無意味なひやかしなどは影を消してゆくのです。とりわけて兄貴肌というわけでもないのですが、温和なむらのない心が自然と好感をよび、同年の者よりは長者の信頼を得るような、そんな有為な感を抱かせる人柄なのです。しかもその心はまれな無邪気と率直さを持っているのです。
この友と僕は中学時代にめぐりあった、と、まあそんな風に想像してみましょう。
僕は中学の三学年を二度学びました。その二度目の春、一人の馴染みもない仲間の中に、地方の中学校から転校してきたこの友と僕は、二人の新入生として机を並べたのです。最初の日の博物の時間でした。出席簿を見て生徒の名を呼んでいった先生が、僕の番にきた時、顔をあげて、「おや、君は落第したのか?」と思わず口走ったのでした。僕は曖昧な笑いを浮べました。一瞬、教室に笑声が起りました。僕はそっと隣りの生徒の顔を見ました。その朝校庭でその生徒の顔を見た時から、心を惹かれていたのでした。その生徒は教科書の上に眼を落していましたが、笑いを忍んでいる風は見えませんでした。僕はその無心さに聡明なものを感じました。
友はなまけ者の僕と違って、まじめに勉強しました。