Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あしはみていた

葦は見ていた

山本 周五郎

Lisez 葦は見ていた (あしはみていた) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 985 caractères · 36 écrans

Aozora Bunko

と東次郎は低い声で云った、「藤吉の経験したことは、そうざらにあるものではない、たいていの者ならそれでまいってしまうと思う、――しかしおれは藤吉を信ずる、藤吉は必ず立ち直るだろうし、そのときにはこの経験が大きな価値をもつだろうと思う、たのむよ」

計之介は眼を伏せていた。東次郎の言葉を心に刻みつけるかのように、じっと眼を伏せて聞き、それから、いっしょにその盃の酒を飲んで、やはり下を見たままで云った。

「深江さんは堪忍するだろうか」

「わからない」と東次郎が云った、「これまでなにも云わなかったから、堪忍しているのかもしれない、このあいだの朝のようすではそう思えるが、本心がどうだったかは訊いてみなければわからないと思う」

「それなら訊かないでくれ」計之介は云った、「そのときが来たらおれが自分で訊くよ、もしもそのときまで、あのひとが待っていてくれたらだけれど、――」

東次郎は彼の眼を見て頷いた。

藤吉計之介は立ち直った。東次郎が予想していたよりはるかに早く、確実に、――立ち直った計之介は以前の彼ではなかった。女とのことが起こるまえは、彼は温和しくて学問好きなお坊ちゃんであった。