Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いっぺいそつ
蒲団・一兵卒
田山 花袋
Lisez 蒲団・一兵卒 (いっぺいそつ) de 田山 花袋 (たやまかたい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 948 caractères · 59 écrans
西に百里の温泉場に来て二人は暮らした。楽しかったのは、ほんのつかの間、いや、旅に出るより早く二人は既に――争いを始めた。野に生まれて、野に生(お)い立(た)って、そして野に食物をあさる群れの必ず定まって得る運命――その悲しいつらい運命にお作も邂逅(でくわ)した。
捨てられてお作は泣いた。続いて、十四の時、知らぬ旅客の背中に石を投げつけたと同じような忿怒(いかり)をはげしく心頭に起こした。けれど泣いたり、怒(おこ)ったりしただけでは、その終わりを告げることはもうできなかった。お作はその時懐妊して七か月目であった。
七か月より臨月までの苦痛、労働のできる間は種類を選ばず労働して、刻々に迫り来る飢餓と戦った。新道の道普請に、砂利(じゃり)車のあと押しをして、熱い熱い日の下に働いていたが、ふとはげしい眩惑(げんわく)を感じて地に倒れ、援(たす)けられて自分の小屋に送り込まれてからは、いかな丈夫な身体(からだ)もどうすることもできず、憐みの眼と情けの手に、乞食(こじき)にひとしい月日を送った。
蟾蜍(がま)のような大きい腹を抱(かか)えて、顔は青く心は暗く、初産の恐怖は絶えず胸を痛めて、何がなし一刻も早く身二つになれかしと祈った。