Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
がもううじさと
蒲生氏郷
幸田 露伴
Lisez 蒲生氏郷 (がもううじさと) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 65 772 caractères · 128 écrans
政宗は吾が領の殆んど尽頭の黒川の前野に陣取った。前野とあるのは多分富谷から吉岡へ至る路の東に当って、今は舞野というところで即ち吉岡の舞野であろう。其処で其日政宗から氏郷へ使者が来た。使者の口上は、明日路ははや敵の領分にて候、当地のそれがしが柴の庵、何の風情も無く侘しうは候が、何彼と万端御意を得度く候間、明朝御馬を寄せられ候わば本望たる可く、粗茶進上仕度候、という慇懃なものであった。日頃懇意の友情こまやかなる中ならば、干戈弓鉄砲の地へ踏込む前に当って、床の間の花、釜の沸音、物静かなる草堂の中で風流にくつろぎ語るのは、趣も深く味も遠く、何という楽しくも亦嬉しいことであろう。然し相手が相手である、伊達政宗である。異な手を出して来たぞ、あやしいぞ、とは氏郷の家来達の誰しも思ったことだろう。皆氏郷の返辞を何と有ろうと注意したことであろう。ところが氏郷は平然として答えた。誠に御懇志かたじけのうこそ候え、明朝参りて御礼を申そうず、というのであった。
イヤ驚いたのは家来達であった。政宗謀叛とは初めより覚悟してこそ若松を出たれ、と云った主人が、政宗に招かれて躪り上りから其茶室へ這入ろうというのである。