Classiques japonais avec furigana
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はす
蓮
豊島 与志雄
Lisez 蓮 (はす) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 969 caractères · 8 écrans
そして植木屋から聞き知った肥料として、大豆と干鯡とを与えた。
所が春がたけていっても、蓮の芽はなかなか出なかった。其代りに、鉢一面にぎらぎらとした油が浮き、青褐色の苔が泥の面に拡がっていった。そして六月のはじめ頃になって、小さな蓮の芽が出だしたけれども、その巻葉が開きかけると、しなしなと横に倒れて、四五寸くらいの大きさにしかならず、それもやがて縁の方から枯れていった。そしてただ油と水苔とだけが、鉢の中一杯に漂い浮び、泥の中からは泡が立ち、物の腐爛した臭気が発散して、清浄な蓮の花も匂いもその気配だに見せないで、いじけた小さな五六枚の葉だけが、枯れ残ってるのみだった。初め私は、蓮を盛んに肥らせるために、大豆を一合ばかりと干鯡を七八本やったのであるが、それが余りに多すぎて、蓮は肥料負けしてしまったのである。
「余り御馳走をやったので、消化不良になってしまった、」と私は、友人や叔父や田舎の老人などに答えた。そして鉢の中の油や水苔を、しきりに掬い出したけれど、また後から生じてくるし、鉢の中の泥全体が腐れ爛れたようになって、臭くて穢くて手のつけようがなかった。