Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くらのにかい

蔵の二階

豊島 与志雄

Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

その硝子戸の外から、誰かが室の中をじっと覗いてることがあるのだ。はっとして、注意をこらすと、その怪しい人影は消えてしまい、あとには、こちらの姿がぼんやり映ってるだけである。その自分の姿に邪魔されて、怪しい人影の正体は一層見極めにくい。

それはただ気のせいで、錯覚にすぎない、と桂介は考えたい。

「いいえ、そればかりじゃありません。」とカヨは言う。

夕方など、表の薄暗いところから、誰かがじっと家の中を覗いているのを、確かに彼女は見たのである。炊事場などは、更に怪しいことが多かった。

土蔵の内部を改造して住居にしたとはいえ、それだけでは、どうにもならなかった。横手の壁をくりぬき、小さな潜り戸をつけ、その外にくっつけて炊事場や物置や便所を作った。トタン屋根の簡単な造作である。盗人の用心のため、潜り戸は厳重にし、炊事場には大事な物は一切置かないことになっている。そこには硝子戸が多い。その硝子戸に、しばしば人影がさすのである。勿論、夕方から夜にかけてのことだ。こちらの姿はいつもぼんやりしか映らないが、怪しい人影は、ちょっとの間のことで而も極めてくっきりと見える。