Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くらのにかい

蔵の二階

豊島 与志雄

Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

実のところ、なんだかへんなのである。久子が注意していると、カヨは猫を抱いて外に出ることが多くなった。春先の暖気のせいばかりではなさそうだ。石に腰かけて、彼女は物を考え、猫は物を探索している。

カヨはまだ腰が曲ったというほどではないが、めっきり背が低くなったようである。だいたいが小柄である。肉附きはいい加減で、下脹れの頬の肉はたるんでいる。いつも着附けが正しく、だらしない様子を見せることはない。もう顔にお化粧はしないが、色白の滑らかな皮膚である。その、見たところ上品な小さな彼女と、肩に乗っかってる白猫と両者をよくよく眺めると、なんだかへんで、怪しいのだ。彼女が読経は殆んどせず、写経にばかり凝ってることを、久子はやはり怪しく思い起した。

土蔵の二階などに籠りがちな生活が、カヨのためによくないのではあるまいかと、桂介と久子は話し合った。然し、その対策はもう出来ている。家屋を新築することだ。

家屋新築は、資金の点から見ても容易でなかった。ところが、亡父正秋の知友で、衆議院議員になってる木村又太郎から、耳よりの話があった。木村自身からというよりも、夫人の美津子からの話である。