Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くらのにかい

蔵の二階

豊島 与志雄

Lisez 蔵の二階 (くらのにかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 351 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

それらの物品も、嘗て、罹災者などに分ち与えたり売り払ったりした後の残りだから、大したものでもないが、それをカヨが後生大事に張り番してる、というような恰好に見える。その上、彼女自身、いろんなつまらない物を大切に保存している。

第一に、大小さまざまなぼろ布が、行李二つほどある。絹布、綿布、洋服地、毛布、などの切れ端で、かき廻すと、絵具箱をひっくり返したような色彩の花が開く。そのぼろ布をためてゆくのが、彼女の楽しみらしい。何に使うという当はないが、ただ、各種の衣裳の象徴なのでもあろうか。それから、桐箱や紙箱にはいってる風呂敷がたくさんある。

次に、彼女は貨幣をたくさん集めている。小さな仏壇のわきに、白木の平たい箱があって、その中に、手にはいる限りの貨幣を投げ込む。古銭蒐集という趣味ではないから、珍らしいものは殆んどなく、小額紙幣の間合に時折出てくる安っぽい貨幣を、見当り次第に貯えるのであり、桂介や久子から貰ったものが多い。明治時代の銀貨や銅貨も少しあるが、多くは近頃のもので、まあ一種の蒐集癖であろう。生活が苦しくなると、まだ多少残った株券の類を、彼女は惜しげもなく売り払ってしまった。