Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふきもんどう

蕗問答

山本 周五郎

Lisez 蕗問答 (ふきもんどう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 898 caractères · 14 écrans

Aozora Bunko

「遠路大儀」

新九郎の挨拶が済むのを待兼ねて、

「急の出府、なにごとであるか」と促した。……新九郎は来る途中すっかり暗記してきたので、今度は充分に余裕を持っている。

「恐れながら、御諫言に参上仕りました」

「余に諫言、……なんだ」

「お気付き遊ばしませぬか」

「……申してみい」

「恐れながら去る五月、殿には御城中にて諸侯方の御座談に、秋田蕗の御自慢を遊ばし、御一座様のお信じなきところから、早馬にて国許より大蕗をお取寄せのうえ、諸侯方に改めて御謝罪をなさせられましたこと、……よもお忘れではございますまい」

「…………」

「御城中にて御恥辱を受けさせられましたことは、新九郎実に恐入り奉りまするが、これは殿の御失慮にござりまするぞ。……本多平八郎殿の聞書に、東照神君の仰せがござります、『座談の折などには真らしき嘘は申すもよし、嘘らしく聞ゆる真は申すべからず』と。実に味わい深きお言葉にござります。なにも御存じなき方々に、いきなり秋田の大蕗を話せばとて嘘と思われるは必定、これは殿の御思慮の足らぬところでござります。……なおそのうえに、御家の御勝手向き御不如意の折柄、早馬を以てわざわざ国表より蕗を取寄せ、諸侯方を辱めてお心遣りを遊ばすなどとは、太守の御身分としてまことに軽々しきお振舞い、……かようなことでは御家風にも障るでござりましょ