Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lisez 薄紅梅 (うすこうばい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 133 caractères · 122 écrans
に人は通う。
「――夜叉的、夜叉的。」
声の下に、鼻の上まで窓の外へ、二ツ目が出た。
「光邦様、何。」
ひやりと、また汗になりながら、
「媽々連を追払ってくれ、消してくれよ、妖術、魔術で。」
黙って瞬でうなずいた目が消えると、たちまち井戸端へ飛んだと思う、総長屋の桝形形の空地へ水輪なりにキャキャと声が響いた。
「放れ馬だよ、そら前町を、放れ馬だよ、五匹だ。放れ馬だよッ。」
跫音が、ばたばたばた、そんなにも居たかと思う。表通の出入口へ、どっと潮のように馳り退いて、居まわりがひっそりする、と、秋空が晴れて、部屋まで青い。
畳の埃も澄んだようで、炉の灰の急な白さ。背きがち、首だれがちに差向ったより炉の灰にうつくしい面影が立って、その淡い桔梗の無地の半襟、お納戸縦縞の袷の薄色なのに、黒繻珍に朱、藍、群青、白群で、光琳模様に錦葉を織った。中にも真紅に燃ゆる葉は、火よりも鮮明に、ちらちらと、揺れつつ灰に描かるる。
それを汚すようだから、雁首で吹溜めの吸殻を隅の方へ掻こうとすると、頑固な鉄が、脇明の板じめ縮緬、緋の長襦袢に危く触ろうとするから、吃驚して引込める時、引っかけて灰が立った。