Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うすこうばい
薄紅梅
泉 鏡花
Lisez 薄紅梅 (うすこうばい) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 133 caractères · 122 écrans
――急に火鉢の火のつくように、飛上って、時間がおくれた、大変だ。お待合わせを約束の仲町を出た、あの大時計が雪の塔、大吹雪の峠の下に、一人旅で消えそうに彳っていらっしゃるのが目さきに隠現くもんですから、一息に駆出すようにして来たんです。気ばかり急いで。」
と、顔をひたと合わせそうに、傘を横に傾けたので、耳にまで飛ぶ雪を、鬢を振って、払い、はらい、
「この煙とも霧とも靄とも分らない卍巴の中に、ただ一人、薄りとあなたのお姿を見ました時は、いきなり胸で引包んで、抱いてあげたいと思いましたよ。」
「抱かれたい、おほほ。」
と口紅が小さく白く、雪に染まった。
「え?」
ただの世辞ではなかったが、おもいがけないお京の返事が胸を衝いたから、ちょっと呆れて、ちょっと退って、
「まあ、月村さん」
「おほほ、三浜さん」
「お元気、お元気……」
十九
渚も元気を増したらしい。
「ですが、顔の色がお悪いわ、少し蒼ざめて。……何しろ、ここへ入って休みましょう――ええ、私のお詣りはそれから、お精進だから構いません、お汁粉ですもの。家がまた氷月ですね。気のきかない、こんな時は、ストーブ軒か、炬燵亭とでもすれば可ござんすのに。