Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あざみ

薊

山本 周五郎

Lisez 薊 (あざみ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 800 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

「待て」銕太郎は遮って反問した、「薊の花はわかった、しかし跡目のことをなにか云ったが、跡目のことがどうだというのだ」

「薊の花には実が生らないというわけです」

「おれの妻がうまずめだということか」

「祝言をして何年になりますか」

「それは岡野の知ったことではない」

「どうしてわかります」

銕太郎はかっとなった。岡野の表情や口ぶりに、あからさまな嘲弄と悪意が感じられたからだ。村尾家のときには、ただいつものくだだと思い、すばらしい花を手に入れた、という言葉もそのままで受取った。しかしいまのようすはまったく違うし、「花」という一語も、「薊」という表現につながっている。岡野はなにかを知っており、そのことで銕太郎を嘲弄しているのだ。そう思うと、酔のために誇張された怒りで、彼は平生の慎みも忘れ、片膝立てになって叫んだ。

「きさまいったい、なにが云いたいんだ」

その声で一座が急にしんとなり、みんなが二人のほうを注視した。岡野は歪んだ微笑をうかべ、そんなにどならなくてもいいでしょう、と云った。その卑屈な微笑が、却って銕太郎の怒りを煽った。

「云ってみろ」と彼は叫んだ、「男なら男らしく、云いたいことをはっきり云ったらどうだ、云えないのか」