Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あざみ
薊
山本 周五郎
Lisez 薊 (あざみ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 800 caractères · 32 écrans
すると、そこにおうたがいた。夜具はなく、寝衣の上から薄い掻巻を掛けただけで、まろ寝をしていたのだろう。半身を起こした衿が少しひろがり、柔らかな胸のふくらみが覗いていた。暗くしてある灯の光りで、寝衣の華やいだ色と、白くて柔らかな、こんもりした胸のふくらみとが、銕太郎の眼をとらえた。彼は黙って、片手をおうたのほうへさしのべた。
「おひやですか」とおうたが云った。
銕太郎は首を振った、「おいで」
おうたはすり寄って来た。ほんの一瞬、その顔にべそをかくような表情があらわれたが、すり寄って来る動作はごく自然であり、それからあとはおどろくほど積極的だった。銕太郎はとまどいをし、圧倒された。妻のほかに女を知らない彼には、おうたのすることや、呼吸や、訴えや、求めなどが、すべて尋常でないことのように思われ、却って、彼の内部で燃えていたものが冷えてしまった。
「このお肌の匂い」おうたは彼の胸に顔をうずめながら喘いだ、「あたしこの匂いを嗅ぐだけで、いつも頭がくらくらしてしまいますの」
「おれの匂いはそんなにひどいか」
「好き、好き」とおうたはからみついた、「あなたがお立ちになると、いつもお寝衣を隠しておいて、このお肌の匂いがなくなるまで抱いて寝るんです、もうずっとまえから」