Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あざみ
薊
山本 周五郎
Lisez 薊 (あざみ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 800 caractères · 32 écrans
銕太郎は庭のほうを見た。
「お願いです」とゆきをが云った、「わたくしの口から理由は申上げられません、理由は云わなくとも、あなたからそう申入れて下されば、それだけであの方にはわかる筈です」
「おまえは加川の家名と云った」彼は庭のほうを見たままで反問した、「おれがそうしなければ、おまえは死ぬほかにないし、加川の家名に傷がつくと云った、しかも理由を知らぬままでおれに決闘しろなどとは、まるで狂気の沙汰ではないか」
「ようございます」とゆきをが云った、「ではわたくしが死ぬことに致します」
銕太郎は振返って妻を見た。ゆきをは化粧をやめ、鏡の前で深くうなだれていた。みせかけでも威しでもない、妻のその姿は決意を示すものであった。いつもそうだ、ゆきをはいつも言葉でなく、行動で自分の意志を示して来た。鏡の前に坐って、深くうなだれているゆきをの姿は、死ぬことにします、という決意をはっきりあらわしていた。
「ひと言だけ訊くが」と彼は云った、「それは岡野がおまえを薊に譬え、その棘で多くの娘たちが傷ついた、ということが原因か」
「理由は云えないと申上げました」
「ひと言でいい、原因はそのことか」