Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あざみ
薊
山本 周五郎
Lisez 薊 (あざみ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 800 caractères · 32 écrans
結婚したそもそものときから始まって、始まったことがわからないままで、悪いほうへと続いていった。
「なにが気にいらないんだ」と銕太郎は鏡の中の妻の眼を見ながら訊いた、「いったいなにが不満なのか、云ってみるがいいじゃないか」
「どうしてそんなことを仰しゃいますの」
「自分で知っている筈だ」
「わたくし不満などはございません」とゆきをは答えた、それは心の底に強い不満のあることを、証明するような調子であった、「あなたはわたくしがお気にめさないので、そんなふうに仰しゃるのでしょう」
「話をそらすことは上手だ」
「御不満なのはあなたです」ゆきをは悩ましげに溜息をした、嬌めかしいと云ってもいいほど悩ましげな、訴えるような溜息であった、「でもわたくしにはどうにもならない、どうにもならないんです」それから銕太郎に向って云った、「――教えて下さいまし、あなた、わたくしどうしたらいいのでしょう」
銕太郎は眼をあげた。くぬぎ林で騒いでいた百舌鳥の群が、突然なにかをみつけたように、一斉に舞いあがったとみると、群は二つに別れて、一方は「沼」のほうへ飛び去り、片方はまたくぬぎ林に舞いおりた。