Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あいがめ

藍瓶

田中 貢太郎

Lisez 藍瓶 (あいがめ) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 676 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

父親は声も立てなかった。

「それ」

女はその声とともに父親に飛びついてその体を抱き縮めた。と、順作の体は傍の瓶に絡まった。

「それ」

そこにぐうぐうと云うような呻きが起った。

「宜いのか」

「宜いわ」

順作と女はそそくさと瓶の傍を離れて歩いた。

二人は踏切まで帰って来た。二人の体は電柱に点けた電燈にぼんやりと照らされた。

電車の響きがすぐ近くでした。

「電車が来た」

順作は女を前に立てて走って線路を横ぎろうとした。女が躓いて前のめりに倒れた。順作ははっと思って女を抱きあげようとした、と、そこには女の姿もなければ何もなかった。順作は驚いて眼のせいではないかと思って見なおそうとした。同時に右から来た電車が順作を刎ね飛ばして往った。順作はそのまま意識を失ってしまった。

順作は頭部に裂傷を負い、右の手を折られて附近の病院に収容せられていた。

翌日になって意識の帰って来た順作は、家へ人をやって女を呼びに往ってもらったが、女は留守だと云って来なかった。順作は罪悪が恐ろしくなって逃げたのではないかと思った。順作は女のことよりも罪悪の暴露が恐ろしかった。

翌日になって二人の見知らない男が看護婦に案内せられて入って来た。