Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
らん
蘭
山本 周五郎
Lisez 蘭 (らん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 247 caractères · 21 écrans
「松子には、おれが伝えようか」生之助は足もとへ目を落しながらこう云った。「……それとも自分で云うか」
「自分で云うほうがいいと思うけれど、あまり無作法だし、機会もないだろう。やっぱり、よい折をみて、そこもとから、話してもらうほうが自然ではないだろうか」
「そうかもしれない。いま風邪ぎみで寝ているようだから、起きたら……」
ふたりはそれぞれの気持で口をつぐんだ。平三郎は心のよろめきを感じた。すべてを投げだしてしまいたい、自分のことばをとり消して生之助にゆずりたい、そういう衝動に駆られた。かれはそれに負けなかったが、それ以上そこにいることには耐えられなくなり、では頼む、と云いおいて別れを告げた。
生之助は門まで友を送って来ると、また庭の一隅にあるかこいの前にかがんだ。そこには、いく種類かの蘭が植わっている。そのなかに、「寒蘭」というめずらしい一株があった。琉球から渡来したもので、冬の初めに咲くという。かれは、三年まえから丹誠しているが、これまでは花が咲かなかった。こんどは、しっかりした、よいつぼみがついたので、どうかして咲かせてみたいものと、怠らず手入れをしているのであった。