Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きょこうのはる
虚構の春
Lisez 虚構の春 (きょこうのはる) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 586 caractères · 108 écrans
――君は、むかし、なにか政治運動していたとか、そのころのことかね?
――は、そうです。私、文化運動は性に合わず、殊にもプロレタリヤ小説ほど、おめでたいものはないと思っていましたから、学生とは、離れて、穴蔵の仕事ばかりをしていました。いつか、私の高等学校時代からの友人が、おっかなびっくり、或る会合の末席に列していて、いまにこの辺、全部の地区のキャップが来るぞと、まえぶれがあって、その会合に出ているアルバイタアたちでさえ、少し興奮して、ざわめきわたって、或る小地区の代表者として出席していた私のその友人は、もう夢みるような心地で、やがて時間に一秒の狂いもなく、みしみし階段の足音が聞えて、やあ、といいながらはいって来たひょろ長い男の顔が、はじめは、まぶしくて、はっきり見えなかったが、よく見ると、その金ぶち眼鏡のにやけた男が、まごうかたなき、私、ええ、この私だったので、かれ、あのときのうれしさは忘じがたいと、いまでもよく申しています。天にも昇るうれしさだったそうです。もちろんそのときには、ちらと瞳で笑い合ったきりで、お互い知らんふりをしていました。あんな運動をして、毎日追われてくらしていて、ふと、こちらの陣営に、思いがけない旧友の顔を見つけたときほど、うれしいことがございませぬ。