Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぐびじんそう
虞美人草
Lisez 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 559 caractères · 401 écrans
藤尾は詩を解する女である。駄菓子の鉄砲玉は黒砂糖を丸めて造る。砲兵工廠の鉄砲玉は鉛を鎔かして鋳る。いずれにしても鉄砲玉は鉄砲玉である。そうして母は飽くまでも真面目である。母には娘の笑った意味が分からない。
「御前はあの人をどう思ってるの」
娘の笑は、端なくも母の疑問を起す。子を知るは親に若かずと云う。それは違っている。御互に喰い違っておらぬ世界の事は親といえども唐、天竺である。
「どう思ってるって……別にどうも思ってやしません」
母は鋭どき眉の下から、娘を屹と見た。意味は藤尾にちゃんと分っている。相手を知るものは騒がず。藤尾はわざと落ちつき払って母の切って出るのを待つ。掛引は親子の間にもある。
「御前あすこへ行く気があるのかい」
「宗近へですか」と聞き直す。念を押すのは満を引いて始めて放つための下拵と見える。
「ああ」と母は軽く答えた。
「いやですわ」
「いやかい」
「いやかいって、……あんな趣味のない人」と藤尾はすぱりと句を切った。筍を輪切りにすると、こんな風になる。張のある眉に風を起して、これぎりでたくさんだと締切った口元になお籠る何物かがちょっと閃いてすぐ消えた。