Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぐびじんそう
虞美人草
Lisez 虞美人草 (ぐびじんそう) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 198 559 caractères · 401 écrans
面当はいくらもある。貧乏は恋を乾干にする。富貴は恋を贅沢にする。功名は恋を犠牲にする。我は未練な恋を踏みつける。尖る錐に自分の股を刺し通して、それ見ろと人に示すものは我である。自己がもっとも価ありと思うものを捨てて得意なものは我である。我が立てば、虚栄の市にわが命さえ屠る。逆しまに天国を辞して奈落の暗きに落つるセータンの耳を切る地獄の風は我! 我! と叫ぶ。――藤尾は俯向ながら下唇を噛んだ。
逢わぬ四五日は手紙でも出そうかと思っていた。昨夕帰ってからすぐ書きかけて見たが、五六行かいた後で何をとずたずたに引き裂いた。けっして書くまい。頭を下げて先方から折れて出るのを待っている。だまっていればきっと出てくる。出てくれば謝罪らせる。出て来なければ? 我はちょっと困った。手の届かぬところに我を立てようがない。――なに来る、きっと来る、と藤尾は口の中で云う。知らぬ小野さんははたして我に引かれつつある。来つつある。
よし来ても昨夜の女の事は聞くまい。聞けばあの女を眼中に置く事になる。昨夕食卓で兄と宗近が妙な合言葉を使っていた。あの女と小野の関係を聞えよがしに、自分を焦らす料簡だろう。