Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むしのいのち

虫の生命

海若 藍平

Lisez 虫の生命 (むしのいのち) de 海若 藍平 (かいじゃくらんぺい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 854 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

勘太郎は、扨はこれが昨夜の虫の住居かと思いましたが、中を覗いても何も知れませんし、又斧で割ったり何かして、中にいる虫まで殺すような事があっては、折角助けた甲斐がありません。勘太郎は仕方なしにお弁当を作って、この樫の丸太を荷いて、山奥の山奥のその又山奥のとても人間の来そうにもない処に持って行って、只ある岩の間へそっと立てかけて置きました。その中には春が来て、虫がはい出して、蝶か何かになって飛びまわる事が出来るだろうと思ったからです。

虫の方は助ける事が出来ましたが、勘太郎はもう炭焼きなんぞはする気になりませんでした。しかし生れて炭焼きしかした事のない勘太郎は他の仕事を一つも知りませんでした。何をしようかといろいろ考えて帰るうちに道を見失って、だんだん山深く迷い入ってしまいました。

行っても行っても山ばかりで、食べ物も何もありません。日が暮れ夜が明けても同じ事です。しまいには飢え凍えて死にそうになりましたから、勘太郎は草の根を掘って食べたり、枯れ葉を綴って身体に着たりして、仙人のようになって、自分の家の在る方へと山又山を越えて行きました。

雪に降られ雨風に打たれて、木の皮や草の根を食べながら行く苦しさはたとえようもありません。