Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たんぱくせき
蛋白石
宮本 百合子
Lisez 蛋白石 (たんぱくせき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 056 caractères · 25 écrans
千世子の家の前に来た時二人は一寸たち止まった。
そしてどっかの迷い猫が眠って居る花園のわきをしのび足で通って落ついたしっとりした書斎に入った時千世子は居ないで出窓のわきに置いたテーブルの上の開かれた本が淋しそうに白く光って居た。
「どこへ行ったんだろう。」
「何!
じきに来るさ!」
家の中はひっそりして人の居るらしい様子もなかった。二人は書架をのぞいたり開いた本をひろい読みしたりした。
かなり時が立っても千世子は見えなかった。
「間が悪いものになっちゃったねえ。
まさか何ぼあの人だってあけっぱなしで他所へ出たんでもあるまいねえ。」
「だが、暢気なんだからわからないよ。」
「女だもの。
そんなするもんかねえ。」
しばらくだまって居て、
「ほんとうにどうしたんだろう。」
篤は思い出してする欠伸の様に云った。
肇は返事をしずに何か聞いて居た。
「何だい?」
「何が聞えるの?」
二人の耳には厚い木の葉の重なりを透して千世子が歌をうたって居るのが響いて来た。
「外にやっぱり居たんだねえ。」
「ほんとうにねえ。」
肇はガラス戸をあけて体を乗り出して木の幹の間をすかして裏庭を見た。