Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しじみだに
蜆谷
山本 周五郎
Lisez 蜆谷 (しじみだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 957 caractères · 28 écrans
ずいぶん飢は激しかったが、三杯たべるともう喉に通らなかった、そしてともかくも温まり空腹感がおさまると、こんどは二日三夜の疲労がいっぺんにでて、どうにも起きていられなくなり、納戸へはいって倒れるように横になった。「家に帰ったよ、又二郎」彼は手にあたる夜具にくるまりながら、死んだ友達にこう呼びかけた、「これからどうなるかわからない、けれどともかく蜆谷の流れの音を聞き、自分の家の納戸で寝ることができる、おまえが生きていて一緒に帰ったんだったらなあ」
死んだように熟睡していた彼は、ああというするどい叫び声ではね起きた。ながいあいだの落人ぐらしで、意識より肉体のほうが危険を先に感ずる。反射的にはね起きてから、彼はようやく眼をあいた。襖をあけて、そこに母が立っていた……髪はほおけた芦の花のように灰色だった、腰は曲がっていた、だらっと抜けたように垂れている手は、まるで枯木の枝のようにやせていた、けれどもそれは母に違いなかった、おっ母さんと呼ぶ彼の声を聞いて、母親はひいという風な、喉を絞るような叫びをあげ、両手で顔をおおいながらそこへひとつくねのぼろのように倒れた。