Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
Lisez 蜘蛛の夢 (くものゆめ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 147 189 caractères · 298 écrans
兇行は昨夜八時頃より今暁四時頃までのあいだに仕遂げられたらしく、磯貝は銘仙の単衣の上に絽の羽織をかさねて含満ヶ渕のほとりに倒れていたり。両手にて咽喉を強く絞められたらしく、ほかには何の負傷の痕もなし。また別に抵抗を試みたる形跡もなきは、その薄羽織の少しも破れざるを見ても察せられる。かれは片手にステッキを持っていたれど、それすらも振廻す暇がなかったらしいという。それは新聞社に達したる通信にて、田島さんの話なり。また、鳥打帽の男の話によれば、磯貝の紙入れはふところから掴み出して、引裂いて大地へ投げ捨ててありしが、在中の百余円はそのままなり。金時計は石に叩きつけて打毀してあり。それらの事実から考えると、どうしても普通の物取りではなく、なにかの意趣らしいという。この鳥打帽の男は宇都宮の折井という刑事巡査であることを後にて知りたり。
午後に日光に着けば、判検事の臨検はもう済みて、磯貝の死体はその旅館に運ばれていたり。田島さんと折井君に別れて、予は自分の宿にかえる。宿でもこの噂で大騒ぎなり。こんな騒ぎのあるせいか、今日もまただんだんに暑くなる。午後二時ごろに田島さんが来て、これから折井君と一緒に現場を検分に行くが、君も行ってみないかという。