Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
Lisez 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ (われはうたえども やぶれかぶれ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 726 caractères · 90 écrans
泌尿科附の看護婦がこの気の毒な百姓家のオヤジか何かに似た奴の背中に手をささえ、そっと力を貸してくれなかったら私は少時そのままでいたかも知れなかった。彼女は泌尿科にいる人でないおだやかさで、お起きになれますかと言い、私は大丈夫起きられますと答えて、起きて寝台から下りた。人間は妙なところで相手の知らないしんせつを受取ることがあって、私はそれをどう言いあらわそうかと思ったが、ただ、頭を下げただけであった。思いがけないものがやって来て心を柔らげるものだ。
泌尿科は一階にあったから其処の待合室の大勢の外来患者の前を、私の手押車はしずしず通っていった。人々はこの患者にちょいと眼をくれただけで、何の反応もなく皆自分自身のことで一杯なのが、私にすぐ判って気安い思いであった。外来患者は丁度記念撮影でもするように一室の方向にむいて、順位を待っていたが私は急速に眼を走らせ、何物かを見出した。私が始終見ていたものでもっとも婉曲な形態を持ち、いままでにすっかりわすれていた物であった。それらは幾十人となく強くどっしりと眼にうけとられる物ばかりであって、私は一種のにわかに生ずる喘ぎさえおぼえたくらいだ。