Classiques japonais avec furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Lisez 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 662 caractères · 174 écrans
この解説のようなものを書き終えた晩、何年か前に見た映画「赤い風船」を思い出して、それを書きこむことを忘れないように心覚えをしてその晩は寝たが、翌朝になってすっかり忘れてしまい、まる二日間思い出せなかった。今朝になって漸と「赤い風船」の面白さを思い当てた。この映画のすじはわすれたが、貧しい一人の少年が坂上の人家の窓先から一個の風船を見つけ、それを失敬して持って逃げるのが物語の発端で、少年の往くところ風船がついて廻り、風船のあるところ町を往く少年のすがたがあった。最後に風船は悪少年共によって野外で踏み潰されるが、併し別の風船が突然数十球のつながりになって、町じゅうの少年等の持つ風船を集めて、碧藍の空に舞い上って往くという物語であったが、総天然色の風船群が逆光の中にあざやかに空高く、高層の建物と次第にはなれてゆく美しい光景で、この映画は先の少年の嬉しさを取り戻して終りを告げていた。この「赤い風船」を見た後に、こういう美しい小事件が小説に書けないものか知ら、何とかしてこんな一篇の生ける幼い愛情が原稿の上に現わせないものかと、一ヵ月くらい映画「赤い風船」