Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
Lisez 蝙蝠 (こうもり) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 107 caractères · 23 écrans
母親の羽がいの最後の力は、ただ一人残った末子の皆三の上に蒐められた。
「おまえが、もしもの事をしたら、お母さんは生きちゃいませんよ」
少年の皆三を前にしておふみは、こういって涙をぽろぽろ零した。皆三は血の気で頭の皮膚が破れるかと思うばかり昂奮して、黙って座を立って行って、土蔵の中の机の前に腰かけた。
そこで別の世界の子供の声のように「蝙蝠来い」と喚くのを夢のように聞いた。中にも軽く意表の外に姿を閃かすお涌の姿を柳の葉の間から見て、皆三はとても自分と一しょに遊べるような少女とは思えなかった……だが、そういう少女のお涌が持って歩き出したあの黄昏時の蝙蝠が、何故ともなく遮二無二皆三には欲しくて堪らなくなったのだ。性来動物好きの少年だった皆三が、標本に欲しかったということも充分理由にはなるのだけれど……。
母親は皆三を外へ出しては自由に遊ばせない代りに、家の中ではタイラントにして置いた。そこで蝙蝠を貰った機会から家へ来たお涌を皆三がしきりに友達にしたがった様子を察して、その後、お涌をお八つに呼んだりなにかと目にかけるようになった。
二人が育って行くにつれ、母親にふと危惧の念が掠めた。